柏市篠籠田の柏第七小学校南側の北向き斜面に並ぶ住宅街の裏側で、今まで草ぼうぼうの笹薮に覆われていた北向き斜面(2500u)が15戸の戸建て住宅用地として造成されることになったが、既存住宅との境界に高いコンクリート壁が出現することとなり、既存住宅の住民達が深刻な被害を受けつつある。
問題が起きている場所は豊四季台のバス停「七小入口」から徒歩4〜5分の交通至便で閑静な住宅地。 豊四季台および西町の 台地上から柏第七小学校に向かって下る坂道(公道)に沿って、既存の住宅が北向きのひな壇状に並ぶ。都市計画法に基づく現場一帯の用途地域は第1種低層住居専用地域で、建築基準法により特に北側住宅に被害が生じないよう建築物の高さ・日影等が厳しく規制されている。また、宅地造成等規制法に基づき、宅地造成工事規制区域に指定されており、柏市長の許可がないと宅地造成はできない。 開発中の造成地は、それら住宅地の裏側にあたり公道との接合部が坂道上部にしかなかったため、排水の関係上その坂道上部の高さレベルに合わせて南向きのひな壇に造成せざるを得ず、結果的に既存住宅地との間の境界に最高で6mものコンクリート雍壁を設ける計画になったという。
宅地開発があっても既存住宅と同じように北向きのひな壇状に並ぶと考えていた既存住民は、その非常識な開発計画に驚愕。早速、柏市当局に自分たちの窮状(極端な圧迫感および極端な日影が生じる)を訴え宅地造成許可を出さないように陳情した。しかし、柏市としてはどのような高さの雍壁であっても安全性に問題なければ法的に宅地造成許可を出さざる得ないこと、第1種低層住居専用地域の高さ制限には雍壁の高さは計算に入らず、それに伴なう日影については規制がないこと等の回答があった。そして昨年12月についに宅地造成許可がおりてしまった。 そこで、住民達はこのような既存住民に深刻な被害を与える宅地造成が今後柏市内で起きないようにするため、2千名の賛同者と共に昨年12月「宅地乱開発防止」の条例を制定するよう柏市議会に請願書を提出。通常の請願では採択できないものは全て不採択となるのだが、この請願の背景にある問題の大きさに鑑み、12月議会、3月議会の2回とも異例の継続審議扱いとなり、休会中の現在もなお審議が続いている。しかし、柏市当局では、宅地造成者の財産権もあり、上位法である法律の枠を超えて規制することは難しいと条例で規制することについて否定的という。
その後、柏市当局の行政指導もあり、住民達と開発業者との話し合いが持たれ、僅かではあるが雍壁の高さを低くする(約80cm)ことや北端部の既存住民が用地の一部を購入することによって雍壁を既存住宅から更に4m引き離すこと等が実現した。 しかし、窮状は若干緩和したものの、深刻な被害は殆ど変わらない。また、柏市がいくら安全だと保証しても、雍壁下になってしまうことによって既存住宅の財産的価値は大きく下がり、財産権が大きく侵害される恐れがある。
都市計画法や建築基準法は良好な居住環境を確保するために厳しい規制を設けているのに、宅地造成規制法にはそのような規制や配慮が全くなく、強度さへ確保できれば許可することになっており、まさに法の隙間となっている。恐らく自然の傾斜とは逆の傾斜に宅地造成するような事態が発生することを想定していなかったものと思われる。
このような状況の中で、5月14日(日)昼のTBSのテレビ番組「噂の!東京マガジン」でこの問題が詳しく取り上げられ、レポーターの北野誠氏からは「雍壁のまち」なるニックネームまで貰ってしまった。 番組の中で、国土交通省の担当官は国は法律で最低限(強度)の規制しかしていない、足りないところは地方自治体が地域の事情に合わせて条例等で規制して欲しいと述べる。また、東京都では開発許可マニュアルで3m以上の雍壁を作る場合は周囲の同意をとるよう開発業者を指導しているという。 柏市内には同様の地形のところがたくさんある。現状のままでは同様の事態が繰り返される恐れがあり、北向きの傾斜地に住んでいる市民は安心できない。 柏市は「安全・安心のまち」を目指している。市民の代表である市議会は建設常任委員会において現在全力をあげて検討しているところである。同様の事態を繰り返さないよう有効な対策を講じてくれることを期待し、今後とも注目していきたい。
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| 公道(坂道)は正面の柏第七小学校のところで右へカーブしており、公道に沿って住宅が並ぶ。手前右側は開発地の入口。 |
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| 北向き斜面に雍壁を設け、盛り土をして南向き斜面に作り変える造成工事。右から左に走っている仮設道路の先が造成地の北端部分にあたり、最も高い雍壁となる。 |
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| この住宅は高いコンクリートの壁に取り囲まれてしまった。 |
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| 上の写真の住宅の下隣りは駐車場になっており、これまで笹薮であったところに高いコンクリート壁がそびえる。 |
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| 宅地造成の北端部分。もともとの地形では最も低い部分で笹薮になっていた。雍壁を設け盛り土をして造成地で最も高い部分になる。右側に並ぶ2軒の家の前に緑の網の高さまでコンクリート雍壁ができる予定。今まで見下ろしていた笹薮が5m以上の台地に変身し、更にその上に2階建ての家が建つ。 |
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